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この件に真っ向から勝負し、真相を突き止め、記事として書き上げた人間は、その度胸を買って、編集長自らが推薦者となり、花形コースまっしぐらな政経担当の部署への移動を確約する。
でっぷりと太った狡猾そうな編集長が、朝礼でそう宣言した時、夏樹はすぐさま反応し、周りの反対を押し切って飛び付いた。
こんな美味しい話に食いつかない他の社員たちを、内心では腰抜けだと小馬鹿にし、自分の事を止めようとする同僚や課長に関して言えば、心配するフリをして、だしぬこうと思っているんじゃないのかと疑ってもいた。
しかし、初めて幽霊というものを目の当りにし、自分はとんでもない事に足を突っ込んでしまったのではないのかと、小さな不安が芽生えていくのを感じた。
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