第一章 弐

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「お待たせしました」  飲み物を買いに出ていた営業マンが帰ってきたようだ。  時間にして、十分も経っていないであろう。  それでも、たった数分の間、一人で居た事がやけに長く感じたのは、つい先程の奇妙な出来事のせい。  けれど、それをここで話せば、アレを幽霊だと認める事になってしまう。  夏樹は、再び自分に気合いを入れて背筋を伸ばすと、にこやかな笑顔で振り返った。 「それじゃ、お話を聞かせて頂きましょうか」
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