第五章 参

4/33
648人が本棚に入れています
本棚に追加
/715ページ
 今見たばかりの写真同様大きな瞳が印象的ではあるが、久子の方は娘とは違い、少々ツリ目のロングヘア。  よく見れば全く違うが、確かに夏樹と同じタイプのきつめ美人顔であり、一見すると似ていると言えなくもない。  年齢的にも子供からしてみれば、同じように見えるだろう。  成程なと、飯田は妙に納得したように、スマホを手にした。  かける相手は勿論、一之瀬。  数回のコール音の後、電話が繋がった。 「やっぱり仕事が早いですね」 「お前が色々調べてくれたお陰だ」  さらりと労いの言葉をかけられ、電話口の向こうで照れたように小さく笑う声が漏れた。
/715ページ

最初のコメントを投稿しよう!