第五章 伍

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 生前、どれだけ懐いていたかは分らないが、バケモノとなってしまった愛子が、祖母の言う事を聞くとは思えないが、今は、それ以上の事がやりようがない。  愛子の遺体のありかさへ分かれば――  そんな思いを断ち切るように頭を振り、「おっし!」と、気合いを入れる。 「朝子さん。頼みますよ」  彼の言葉に応えるよう、強い風が霊園の中を駆け抜けた。
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