第六章 弐

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「ああ。その為にお前に連絡したんだ。そっちの方も勿論、進展があったんだろ?」  裏を返せば、『進展がなきゃ困る』といった具合の問い掛けに、一之瀬は苦笑しながら「勿論。これで、夏樹を囮に愛子が現れてくれるのを待つだけです」と、答える。 「その話を詳しく聞きたいところだが、生憎時間が無い。とりあえず、私達が通るルートを後でメールする。私のスマホからでは、全て筒抜けになってしまう恐れがあるからね」 「それじゃあ、この会話も?」 「いいや。お前に教えてある携帯は、大昔のガラケーのまんまだ。メール機能すらついちゃいないし、GPSもない。だが、スマホの方はそうはいかないからな」
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