第六章 弐

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 ホッと安堵の溜息が漏れる。  電話越しに、それを感じ取った佐々木は、「タイミングはお前に任せる。それじゃあな」と、通話を切った。 「ようやく私達のターンだ」  携帯を手が白くなるほど力いっぱい握り閉ると、冷たく無機質な音を響かせ、薄暗い場所から足を踏み出した佐々木の表情は、緊張感から強張ってはいるものの、その瞳に強い光が宿っていた。
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