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鉄格子がついた窓が一つだけある狭い部屋には、安っぽいテーブルを挟んで一対のパイプ椅子と、扉の前にも、同じ型のパイプ椅子が一脚あるだけ。
あまりに殺風景な室内に、居心地の悪さは否めないが、窓から差し込む光と、天井にある蛍光灯の明かりのお陰で、暗く辛気臭い雰囲気だけは払拭されているのが、せめてもの救いであろう。
扉を真正面に見据えたまま、無表情で座る夏樹は、背筋をピンッと伸ばし、ピクリとも動かない。
口も閉じ、何十秒かに一度、ゆっくりと瞬きをするだけで、呼吸をしているのも疑うほど、『生』を感じさせない彼女の様子に、見回り役の警察官達は薄気味悪さを感じていた。
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