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「あいこ、もうじきホイクエンをソツエンするんだって。そしたら今度はショウガッコウに行くんだって」
「そうみたいねぇ。愛子も今度の誕生日で六歳になるものね」
「ショウガッコウって、楽しい?」
「そうねえ。保育園と同じで、沢山のお友達が出来るわよ。それだけじゃなくて、愛子の大好きな本も沢山あるわねぇ」
「わぁーい! 早く行きたいな!」
「いい子にしていれば、すぐに行けるわよ。ホホホ」
春先の夕暮れ。
まだ、肌寒さの残る中、小さな手をギュッと握る祖母の手は暖かく優しくて、愛子は幸せそうに微笑んだ。
この時までは父親がいなくても愛子は幸せであった。
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