第二章 弐
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「近付くなぁぁぁっ」 仰向けに寝転んだ状態で、みっともなく手足をバタつかせ、涎をまき散らしながら怒声を上げると、「ヒュッ」と息を飲み、これでもかというぐらい目をカッと開いた。 「追いかけっこは終わり?」 幼い少女のような声が耳元で囁いた。 鼓膜から浸透していくように、広がっていく鳥肌。 恐れが禍々しいものとなり、血流に乗って満身に流れ、脳内に危険信号をけたたましく鳴らす。
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