第二章 弐

4/7
648人が本棚に入れています
本棚に追加
/715ページ
「近付くなぁぁぁっ」  仰向けに寝転んだ状態で、みっともなく手足をバタつかせ、涎をまき散らしながら怒声を上げると、「ヒュッ」と息を飲み、これでもかというぐらい目をカッと開いた。 「追いかけっこは終わり?」  幼い少女のような声が耳元で囁いた。  鼓膜から浸透していくように、広がっていく鳥肌。  恐れが禍々しいものとなり、血流に乗って満身に流れ、脳内に危険信号をけたたましく鳴らす。
/715ページ

最初のコメントを投稿しよう!