昔からある、日本語。

1/2
78人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ

昔からある、日本語。

今はもう知る人も少なくなった日本語というのは数知れずある。 学生時代ちゃんと授業を聞いている方ではなかったし、頭が良いわけでもないので物書きとして恥ずかしいけれど、私も、まだまだ知らない言葉だらけだ。 それでも、少しでも正しく美しい日本語を伝えたくて、いつも文章を考える。私にそんな風に思わせてくれたのは、作家・江國香織さんの作品だった。言葉の選び方が独特で、瑞々しくて、豊かで。この人の作品は私に、物語の内容よりも、言葉や文章がどれだけ素敵なものかを伝えてくれた。一文一文、味わえて読める作品に初めて出会ったのだ。(もちろん、内容も大好きなのは言うに及ばず) 諸外国に比べて、日本は色を表す言葉が本当にたくさんあるというのはご存知だろうか。赤・青・緑、などの表現よりももっと細かく、和色というものがある。 “緑”一つをとっても、翡翠色(ひすいいろ)・萌葱色(もえぎいろ)・苔色(こけいろ)・柳染(やなぎぞめ)・青丹(あおに)など、ここで挙げているのはごく一部にすぎない。 文字として何となく想像ができる色もあれば、文字の意味すら分からないものまで様々。色の話は例として挙げただけだけれど、そんな古くから使われてきた言葉がたくさんあるのに、知らずに終わってしまうのは勿体ない気がしてしまう。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!