メッセージの、必要性。

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メッセージの、必要性。

 今、実質6年ぶりに執筆を再開している。そのことを嬉しく思う反面、どうしても気に食わない作品ばかりができてしまう現状が浮上した。6年前の作品たちは、本当に子どものように愛でられる作品ばかりだった。いや、そうでないものもあったけれど、そういう作品が多かった。今でも、あれ読みたいななんて読み返すことが多いくらい。  それがどうしたことか、今の作品は愛でられるものがほとんどない。故に、読み返したいと思う作品がほとんどない。どうしてだろうとひたすら考えていた。考えても一向に答えが出なくて、その間も書き続けた。  そうして今、答えが見つかった。  伝えたいメッセージがないのだ。  昔は、それがあった。自分の中で大切にしたいと思ったり、教訓にしたいと思ったりするメッセージが昔はあったのだ。だから、作品たちが生きていたように思う。メッセージ性が強すぎるきらいはあるが、と超・妄想コンテストで佳作に選出された作品もあった。それほど、以前の私には伝えたいメッセージがあったのだ。それがどうしたことか、今はない。  人に会う機会が減ったことも一つの要因だと思っている。二年半前に引っ越しをして、職も変わって、今は仕事すらしていない。家で引きこもっていたら、そりゃなにも変化もないだろうなということは分かっているが、お陰で今やっと書くことができているので、もう少しだけこの生活を続けようと思っている。  人と会うといっても、それなりに長く人と話す仕事をしないと私の中ではなかなかメッセージが生まれてこないのだなということがよく分かった。以前の仕事は本当に向いていなくてストレスのたまる仕事ではあったが、小説にはよく活きた。そういう意味ではとても生産性のある仕事をしていたことになる。  私の中で小説を書く上で大切なのはメッセージ性なのだと痛感した。  今の作品たちは、単に書いているだけ。そういう印象がどうしても拭えない。誰にでも書けるんじゃないかとすら思えてしまう。せっかく書き始められたのに、またしても壁にぶつかっている。  そんなわけで、久しぶりに昔の作品をいじってみた。2万文字以上というコンテストに応募するために、約倍の文字数を足さないといけなくなったわけだ。けれど、あの作品は私の中で本当に大切な作品だった。だから日の目を見させてあげたくて、続編を足しての投稿になった。  正直、今の私があの頃の私に勝てる気がしていないので、続編を付けたことで作品が台無しにならないかの不安もあった。書き上げた今でも不安はあるが、あとは読者と選考にお任せしよう。出来上がったものはもう巣立っていくのだから、あとはどんなご意見が頂けるのかを恐る恐る楽しみにしていよう。  どうやってこれからの作品と向き合っていけばいいか、またこれからの課題である。まだまだ悩みは尽きないなぁという情けない自分をまたさらしてしまったが、もう読者も少ないここならいいかということで、吐き出してしまいました。まだ読んでくださっている方々には感謝をしつつ、申し訳ないですと伝えておきます。
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