古きを知り、新しきに学ぶ。

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古きを知り、新しきに学ぶ。

良い言葉や話なんてものは、昔の作品を見ればすでに沢山ある。 そんなことは、実際、本を読む人は知っているし、本を読まなくてもきっとそうだろうと想像している人はいるだろう。私もそんな一人だ。そんな私が、小説に今更伝えたい言葉を載せて書こうと思ったのには、やっぱり理由がある。 誰もが知っているような不朽の名作として、【星の王子さま】や【赤毛のアン】、【そして誰もいなくなった】などがある。実際の総発行部数にはこの3作でさえ、1200万~1億冊と幅広いがこの部数はやはり稀有(けう)なものだ。にも関わらず、名前は知ってるけど内容は…なんて人の方が、今は過半数を占めているんじゃないかと思う。 総発行部数は年月を経ているのだし、時代の流れもある。 どれだけ不朽と言われても、やっぱり、現代には現代の読みやすい文章が存在して、読み始めで興味を持てなければ、読み進める人が少ない世の中になってきた。 だからこそ、新しく生み出す作品で既存の作品と伝えたいことが一緒であっても、内容や言葉を置き換えて伝えなければならないと思っている。 古い作品は、時の流れとともに、やっぱり本屋の隅に追いやられてしまう。買っている人、これから買う人、買わない人それぞれだが、新しい作品を出さないことには、今の人たちにはきっかけが少なくなってしまう。 それは、すべての作品に言えることで、陰の名作は数知れずある。 人にはそれぞれ、作風があるわけだから、合う合わないが出てくる。その中で、どこかの誰かに響くものが私にも書けるはず。いつしかそんな風に思うようになった。 今、私がお世話になっている作家さん。 その方曰く、 「“最先端の一つあと”、先端くらいのものを書く能力が今の作家には求められている」 らしい。私はたぶん、開拓者ではない。開拓者は憧れるし、その異質さはきっと良くも悪くも知名度を上げる。その人たちに遅れすぎず時代の流れに乗ることを、たぶんその方は言っているのだけど、私が表現したいものはそういうものでもないように思う。 私が、小説だけでなく色んな媒体からや日常生活から、良いと思ったものを、教訓としてだったり名言としてだったり、空気感や言葉のニュアンスで伝えていけたら。 それが、どこかの誰かに響けばと。そう祈るだけなのだ。
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