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「昨日、彼氏と別れたんです」
「その割には、清々しいですね」
「六年付き合って、一番若くてキラキラした時間をあいつに奪われて、――なんだか恋愛が面倒になっちゃいました。浮気……っていうんでしょうか。二重同棲されてて相手は妊娠――んで、四股のうちの私は四番目だったらしいです。6年間、ずっと」
「ヘビーな話ですね」
珈琲を飲み終わったら泉部長はパソコンの電源を切った。
「まな板を縦に投げたら、鼻血ブーっでした。自分の鼻血にビビって気絶して……面白いから写メ取って荷物まとめてゴミ収集所に捨ててきた。あいつ、写メ送ったら大人しくなったんですけどね、なんだろう。一瞬で冷めちゃいました」
「それでも、懲りずに恋をするの。逞しんだね、君は」
帰り支度する泉部長は、まるでお天気の話をするかのように、反応は薄い。
どんな表情をしていいか戸惑った顔が見たかったのに、この人っいつも冷静だけど、いつ尻尾をだすのかな。
「恋をしたいって思ってるのか自分でも疑問です。でも、どうせするなら、楽な相手が良いなって思ったら、部長の顔が一番に浮かんじゃいました」
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