マウンテン・ブルー

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 仕事にいきづまると、近所の古い喫茶店に行く。いわゆる純喫茶だ。 屋上は高く、シャンデリアが吊るされ、磨きこまれたマホガニーのカウンターにボックス席が二つ。今日はビリーホリデイがかかっている。奇妙な果実だ。 「いらっしゃいませ。やあ、やあ」マスターはものすごくハンサムで、 短く刈り込まれた頭ときちんと整えられた口髭には白いものがちらほ ら混じって銀色に輝いている。
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