嫌な朝

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瀬戸さんが少し離れて私を見下ろした。 身長が高い瀬戸さんを私は見つめた。 瀬戸さんの顔が少し近づいて私のおでこにそっとキスをした。 「変なこと言ってごめん」 「嬉しかったです」 「え?」 「我慢...しなくていいんですよね?」 「あぁ...」 「幸汰て呼んでもいい?」 「は?」 「ダメ?」 私なにを言ってんだ? なにが幸汰って呼んでもいい?だよ。 顔を真っ赤にした瀬戸さんがいる。 「べ、べつに良いけど」 「あ、よかった」 「...」 「顔赤いですよ」 「赤くねーよ」 そう言って‘‘幸汰’’は私の唇にキスをした。 甘い。 優しい。 こんなに優しいキスはいつぶりだろうか。 「んっ...」 「なに声だしてんの」 「だ、出してないです」 「ふーん」 幸せだ。 でも、付き合ってない。 彼氏じゃない。 てゆーか私この人が好きなんだ。
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