嫌な男

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土曜日の9時 ピンポーン 「はーい」 開けるとそこには玲が居た。 「沙耶会いたかったよ」 そう言って抱きついてきた。 「うん...」 「昨日連絡したのに」 「ごめんね、すごく酔ってて」 「誰か来てたの?」 「え?」 「だって机に2つコップがある」 「あ、そ、それは...か、加奈が来てたの!送ってくれたの」 「そっか」 「うん」 口が裂けても幸汰が来たなんて言えない。 「沙耶」 「ん?」 「俺は沙耶を愛してるよ」 なによそれ... そうゆう言葉で縛らないでよ 「ねえ、玲」 「ん?」 「私、玲とは結婚できない」 「どうして急に?」 「私はこんな形で結婚するのはいや」 「だって沙耶も俺が好きなんだろ?」 「スキだよ?けど好きじゃない。」 そうこれが言いたかった。 玲のことはスキだけど好きじゃない。 「じゃあ、別れたいんだね?」 「うん、私は玲を好きになれなかった」 「そっか、じゃあお父さんとの契約も切るよ」 「え?」 「そして倒産させる」 「うそでしょ?」 なんて男なのこいつは。 「嘘じゃないよ。考えときな」 そう言って玲は部屋を出て行った。
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