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「正確に言うなら、封じたと言うよりも、このフィギュアがお前の魂の器だ」
「―――」
「理解したか?」
どう説明したら良いのか、探るような口振りで隆円が尋ねた。
「わかるように説明しろ」
櫻井の口元から笑みが消えた。
射るような視線で隆円を見つめている。
「今のお前は魂。或いは霊体……
まあ、いろいろな言い方があるが、今は魂と呼ぶことにしよう。ここまでは理解出来るな?」
櫻井が眉間にシワを寄せながら口元を歪めた。
「まだ何も難しい話しはしていない。隆、俺にシメられたいのか?」
苦笑いを浮かべ隆円が話を続けた。
「生きた人間は魂と肉体が結び付いた状態だ。
涼の今の姿、つまり魂は生前に涼の肉体の中にあったものだ。
基本的に現世では、肉体と魂はセットでなければ存在出来ないと思ってくれ。魂は肉体と言う器がなければ現世に存在維持出来ないのだ。……ここまでは理解出来るな?」
険しい表情を浮かべて頷く櫻井に隆円が更に続けた。
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