416人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんな事では面白味に欠ける……どうだ、ワシとゲームをやらんか?
ワシは今後、狙う者を指名してから行動してやる。止めたくば止めてみよ」
「お前の遊びに付き合って、俺に何のメリットがある?」
警察官を犠牲にするわけにはいかないが、櫻井は結花と大介の側を離れたくなかった。斎藤が襲われた時に出遅れたのはその為である。
「ワシがお前の息子以外の誰かを指名している間は、お前の息子の安全は保証される。お前にとっては都合の良い話しの筈だ」
豪将が指名した相手を襲うのであれば、櫻井が豪将のスピードに追い付く事は可能である。
但し、これが罠で豪将が指名した相手ではなく、櫻井の不意を付いて大介を襲う可能性も否定は出来ない。
だが豪将を倒すには豪将のスピードに付いて行くしかない櫻井にとって、断る理由の無い話しだった。
( 遊びと言うのであれば、すぐに大介を狙う事もない筈だ )
そう判断した櫻井は豪将に不敵な笑みを向けた。
「望み通りに遊んでやるよ」
櫻井の言葉に豪将が、黄色い牙を剥き出したままニヤリと笑った。
豪将が一人の捜査官を指で指した。同時に櫻井と豪将が姿を消した。
最初のコメントを投稿しよう!