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櫻井の胸に黒い槍のようなものが突き刺さっていた。
密着する程に櫻井に近付いていた頭部達は再び距離を取り、櫻井と豪将の間の壁となっていた。
その為に櫻井には頭部で作られた壁から黒い槍のような物が現れて、自分を突き刺しているとしか確認が出来なかったが、何が起きたのかは理解出来た。
黒い槍のようなものが、水を流し始めたホースのように脈打って、櫻井のエネルギーを吸いとっていたのである。
「クソ外道が…… テメエはまともに戦う根性もないのか!」
黒い槍のようなものは豪将の手が触手のように変化して、更に形態を変えたものだった。
触手は男児の頭部を貫いて櫻井を突き刺していた。
「戦うだと!? ワシはお前と遊んでいるに過ぎん!」
櫻井から触手が引き抜かれた。同時に頭部の壁が分散した。
豪将が舌舐めずりをしながら櫻井を見つめていた。
「お前の力は想像以上に美味だ。次はアイツを襲うぞ」
そう言って豪将が別の捜査官を指差した。
櫻井と豪将が瞬間移動で、その捜査官の前に移動した。
だが、結果は同じ事の繰り返しだった。
捜査官の盾となった櫻井が頭部達を傷付ける事を避けた為に、豪将の触手に突き刺されていた。
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