おまけ Ⅱ ρ(・・、)

2/2
403人が本棚に入れています
本棚に追加
/382ページ
ドン ドン ドン…… ドン ドン ドン……… 霊達がこの世の者達と一緒に躍る。 それは幻想的で、美しく優しい光景だった。 ヒューーーー ドン!!! 空に黄金の大輪が咲いた。 「美鈴。行くか」 櫻井が美鈴を促すと、美鈴がチラリと結花に視線を向けた。 「もう良いの?」 「お前の方こそ、お母さんとお別れしてきたのか?」 「私は大丈夫。……私のことを思い出していたのね」 「思い出す? 何のことだ?」 「だってさっき結花さんに……」 美鈴が言いかけて止めたので、櫻井が怪訝な表情を浮かべたが思い出したように尋ねた。 「ところで美鈴。お前のその姿は誰なんだ?美鈴とは別人なんだろ?それなのに何でいつまでも狐なんだ?」 カチャリと音を立てて、美鈴が軍刀の鍔を押し上げた。口元を歪め、あきらかに怒っていた。 「これは私の二つ前の前世の姿であると同時に、あの世での私の姿よ」 「ん!? お前何か怒っているのか?」 「怒ってない! でも、ここはまだ現世。 故に私も情に囚われるし愛に支配されもする。 あなたの現世の愛は尊重したいし許すけど、あなたが私の素顔を見て、もしも私を思い出さなければ、私は怒りであなたを斬ることになる」 美鈴の態度は冗談とも取れるが、刀には殺気がある。 さすがの櫻井も慌てて首を横に振った。 「とりあえず、消滅しない程度に切って良い?」 「なんだそれは!いいわけ無いだろ!」 「だって絶対にあなたは私を思い出さない!じゃあ峰打ちにしとくわ」 「それもダメだ!わけがわかんねえこと言って絡むな!さっさと行くぞ!」 「……そうね。帰りましょう」 櫻井と美鈴の身体がゆっくりと天に登った。 火薬の匂いと共に拡がった花火の残煙の中に二人の姿が消えた。 夏の夜風が煙を霧散させたが、二人の姿はもう何処にもなかった。 ―――― ( ̄▽ ̄)ゞ お知らせ 櫻井の年齢を35歳にしていましたが36歳(早生れ)に変更します 他の作品との兼ね合いがあるのですが、年齢設定間違っていました←今更気付くな(笑) カラー→(2年後)→77→お山 となります
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!