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さっきより数倍体が赤みがかっているのが透けたタオル越しにも分かる。
「な……なにを急に聞くのよ!?別に彼の事が好きとか、嫌いとか……そういう感情は無いわよ。今までは仕事の都合で役に立ったりもしたし、邪魔もされたし……そう!腐れ縁だったけど。今は二人して英雄?みたいな扱いになってるし……なんか近所の奥さんとかによくからかわれるけど、そういう気持ちは無いし、確かにこの町には他にいい男なんていないけど……所帯とか……元暗殺者の私には実感わかないし……うぅぅ勘弁してくださいエリザベスさん」
あぁ……なんかごめんなさい。そしてドンマイ、覗き趣味のエリザベスさんの旦那……。因みにこの二人の一人娘があのクーだというのだから彼女の我の強い言動にも納得がいくというものだ。全く興味の無い話しを半ば混乱した様子で喋り続ける彼女を見ていると、どうやら自分は聞き方を間違えたらしい事だけは分かった。
「まぁ、最初から当てにはしてないよ」
風呂から上がったオイラは自分にだけ聞こえる声でそう言って、番台に置かれたお茶を口にした。熱を帯びた体に冷たい飲み物が駆け巡り、何ともいえない清清しさを感じた。グリーンは……まだ、風呂の中で何かを言っている。しかし、困った。本音を言えばかなり当てにしていた。だって、こんな事を聞いて解決するなら相手はグリーンとティーチくらいだし、ティーチに近づいたら、それだけで心を読まれてしまう。さて、どうしたものか……。
家を出たオイラがそうして途方にくれていると、そこに町では見慣れない二人の男性が歩み寄ってきた。それも、かなり異質な。
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