プロローグ

3/5
前へ
/29ページ
次へ
だからこそ、迫害されてきた教育者の生き残り、それもたった一人に国の軍勢が敗北したという体裁の問題や彼が復讐に来るかもしれないと悩む国民の心配など、全くと言っていいほどに関心が無い。むしろティーチと名乗った教育者の誠意的な立ち振る舞いと今や忘れ去られた旧暦の学問を用いた魔法の数々にこそ関心があった。 「話を戻しましょう。彼は自分から教育者の末裔であると公言致しました。加えて、その戦闘能力はブラウン将軍と互角、人の心を読み取る術を持ち、本国の最大勢力に匹敵する炎の魔法を自在に扱う他、その他学問を基礎とした魔法にもかなり高度に精通していると思われます」 「……」  ピートの反応を見て、アキラが変わりに報告を済ます。それを見てピートは思った。 (やはり……まだ、この子には……)
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加