プロローグ

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アキラにとって戦死したブラウンは親代わりであり、師であった。それを討ち取ったティーチに対して冷静な判断が出来るほどアキラは大人ではない。だから、ピートが感じたティーチの誠意的な印象は彼には届かず、代わりにこういった発想を招く。 「しかし、弱点もあります」  その言葉にピートは思わずため息をついて頭をうなだれた。 「ほう……それは?」 「教育者ティーチはあの町を守ることに重きを置いて行動しています」 「つまり?」  初老の男は満足げにアキラを見て先を促す。 「私にお任せ下さい。単身、彼の者の弱点を捉え、教育者末裔という危険人物をこの国から遠ざけてみせします」  復習の大儀に囚われたアキラは善悪の区分なく最善手を告げる。再び、ピートのため息。そして心の中で呟いた。 (ブラウン……お前の生涯最期の頼みはなかなかに厄介だぞ) ……数分の後、アキラとピートは退出する。そして、それを合図に受話器のはずれていた金の電話の先から声が聞こえた。 「面白い……お話ですねぇ」
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