近況

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「で、今日、仕事は?」  タイミングの悪さもあり、オイラは不機嫌さを隠そうともせずに言った。 「これからよ?貴方も来る?」  それも冗談じゃない。そして、少しは察して欲しい。まぁ、それはそれとして、あれから三日でグリーンほど変化の大きい人間もいない。今や彼女は暗殺業を廃業し、得意の超高等数学の水魔法を使った温泉宿を経営している。オイラの町はまだまだ荒れた町だったから一家に風呂がある家は珍しく、無い家は時々ある家に風呂を借りる生活をしていた。それでも最近は安定してきたのだが、風呂を作るには懐(正確には通貨は無いので依頼した技術者にお礼が出来るだけの余裕の事)の苦しい町人達にとって突然温泉宿なんてものが出来れば盛況になるのは当然だろう。因みに、温泉宿の場所はオイラの家。つまり、グリーンはオイラの家を勝手に改築して我が物顔で荒稼ぎしているのだ。そして、彼女が変わったのは職業だけではない。むしろ内面の変化こそ深刻だ。本々暗殺者の仮面として使っていた明るい性格が常となった。まではよしとして、それでも彼女にとってその仮面は使用用途の多くない断片的な仮面であり、日常生活をその仮面で送り続けるには何かと世間離れした所があり、同居人のオイラを悩ませている。一方的に。 「何黙ってるの?早くしないと仕事に間に合わないわよ」
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