秋本 夢美――①

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           2 六月二十二日、水曜日。 お姉ちゃんの葬儀が終わり初七日も過ぎて、一応、あたしは日常の中へと戻ってきた。 結局今日までお姉ちゃんが残した遺書は誰にも見せることなく隠してきたけれど、大人たちはお姉ちゃんの死を自殺と断定し事件性はないものとして勝手に処理をした。 ただ、自殺をした原因については誰もわからずじまいのままで、お母さんをはじめ親戚たちも皆、学校で何か起きていたのではないかという当然と言えば当然な方向に話が向かい、あたしが学校を休んでいる間に全校集会が一回、いじめに関するアンケートが二回実施されていたらしい。 それでも、有益な情報は何一つ出てくることはなく、今現在もお姉ちゃんの死に関しては不透明な状態が崩れることなく続いていた。 遺書に書かれていた、お姉ちゃんがこの世に残した最後のメッセージ。 その存在を知るのは、あたし一人。 つまりこれは、お姉ちゃんとあたしだけの共有物。
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