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もし、お姉ちゃんを死にまで追い込んだ存在がいるのなら、あたしはその人を許すことはできない。
あんなに優しくて大好きだったお姉ちゃんを苦しめてこの世から消したくせに、名乗りもしないで今も普通に生活していることを想像すると、それだけで頭と胸の奥がチリチリした痛みと熱に満たされそうになってしまう。
「夢美、怖い顔してどうしたの?」
二時限目の休み時間。
自分の席に座り眉宇を寄せながら机上を見つめていたあたしの元へ、見慣れた人物が近づき声をかけてきた。
「紗由里……」
あたしと同じ一年四組。中学校時代からの友人でもある伊藤 紗由里(いとう さゆり)。
大人しくはなく、かと言って快活でもないけれど、基本的に男女を問わず誰とでも仲良くできるという羨ましい特技を持つ彼女は、珍しく躊躇うような視線をこちらへ向けぎこちなく笑みを浮かべていた。
「朝からずっと様子おかしいから気になってて。
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