秋本 夢美――①

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さすがにそれ以降はお姉ちゃんも中学生になりお風呂やベッドは別々にされちゃったけど。 それでも、あたしの少しでも長い時間をお姉ちゃんと一緒にいたいと思う気持ちは萎むことはなく、夕食後のテレビも休日も余程の用事がない限りはお姉ちゃんの側を離れることはしなかった。 だからこの日も、あたしはいつものように二人分のコーヒーを用意してからまだ寝ているであろうお姉ちゃんの部屋へと向かったんだけれど。 コンコンと少し大きめのノックをしながら、 「お姉ちゃん、朝だよー! おはよう!」 笑顔でドアを開け部屋へ足を踏み入れたあたしは、浮かべたばかりの笑みを貼りつかせたまま表情を凍りつかせることとなった。 閉められた黄色いカーテンのすぐ前に、ピッタリとくっ付いたようにしてお姉ちゃんが立っているのかと、最初は思った。 だけどそれは違うと即座に気がつく。 立っていたのではなく、浮いていたというのが正確な状態だった。
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