不思議なドア

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 他の男性、小柄と太った男や小柄でもやしのような体格の男も薄汚れた緑のジャージ姿だった。 「グッテン。信じようよ。この子は嘘はつきそうもない顔をしているし」  太った男性は早口でまくしあげる。 「そうだね。この子が本当のことを言っているように私は思った」  グッテンは力強く頷く。 「ヨルダン。これから、どこへ行くのかい」  グッテンの問いに、 「今は三日後のハリーのショーがるので、仕方なくこの周辺の探険さ」 「ハリーのショー?」  太った男性が早口で聞き返してきた。 「そう。ハリーおじさんが金色のドアで、今からだいたい三日後に楽しいショーをやるって」 「あのハリーが」  グッテンは落ち着いて考え込む仕草をした。 「ハリーおじさんがどうかしたの?」  グッテンは重い口を開いて、 「ハリーは数週間前に奥さんを館の亡霊に殺されてしまって、そのショックで気が狂ったのさ。とても危険な精神状態だったよ」 「え、あのハリーおじさんが? 僕には面白いおじさんに見えたよ……」  僕はそこで、心の片隅にあの不可解なざわざわした気持ちがでてきた。 「……」 「ヨルダン。その三日後のハリーのショーには行かないほうがいい。何か嫌な予感がしてきたんだ」 「うーん。でも、平気さ。僕は死を恐れたりなんかしない。きっと、面白いショーさ」  グッテンは俯きだし首をユルユルと振った。 「じゃあ、僕もう行くね」  僕はドアを閉めた。  雲助は不機嫌だった。グッテンたちとの会話に一言も喋れなかったのが原因かな? 「俺のことを忘れてもらっちゃ困るよ」 「別に忘れたわけじゃないさ。雲助が一言も話さなかっただけで、一言話せばよかったじゃないか」 「俺は学者嫌いだ」  雲助はぶっきらぼうに言い出した。 「へえ、そんなこともあるの。僕は蜘蛛に好き嫌いがあるなんてちっとも知らなかったな」  雲助は何も答えなかった。 「次にどこを目指そうか? この周辺しか行けないからな」  僕は周囲を見回した。
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