不思議なドア

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 500年後。彼らの子孫が太陽や海のある外へと出る日が来たら、僕はその場にいられたらと心から願う。彼らの子孫はいったいどんな気持ちで外へと出るのだろうか。それはきっと、晴れやかな表情で出るのだろう。それとも、嬉し涙を浮かべた顔で外へと出るのだろうか。  僕はこの館で一生暮らしていくつもりだ。やがて、おじいさんになってもこの窓拭きみたいな仕事を頑張っているだろう。  もう、家には帰らない。誰が何と言おうと絶対に。僕をこんなになるまで傷付けた意地悪な両親の顔なんかもう見たくない。 「今日はハリーのショーだって? ここには娯楽がないから俺も行くぜ」 「俺はどうしようかな。今でも十分楽しいからな」 「馬鹿。こんなきつい仕事のどこが?」  大人たちがハリーのショーの事を言っている。 「最前列に行こうや。なあ、おチビちゃん。もうすぐ12時だ。なんかワクワクしてきたぜ。それだから仕事を早めに切り上げるぞ。みんなもそのつもりだしな」  コルジンは額の汗を拭うと、ボロ雑巾を部屋の片隅のバケツの方に無造作に投げる。他の大人たちもそれに続いた。 「こんにちは」  今日は早めにグッテンが現れた。手に布袋をいっぱい持って。そばのいつも仕事場の隅にいる恐ろしく細い女が腕時計に目をやるが、「今日はしょうがないですと」呟いた。 「みんなの分がある。今日はハリーのショーがあるからルージー夫妻が奮発してくれたんだ」 「ありがてえ」  コルジンたちと僕は一斉にグッテンに群がる。 「おお! ハムサンドバーガーか」  コルジンと僕以外が驚嘆する。どうやら肉を挟んだバーガーは食べ物としては高価なものらしい。僕は何度かコルジンに食べさせてもらっているけど・・・。  多分、みんなコルジンのようには、頑張って毎日仕事をしないのだろう。  大人たちは喜んでは汚れた手で元気にハムサンドバーガーに噛ぶりつきながら、ハリーのショーの事で持ち切りになった。 「ハリーはこの館での一番の金持ちさ。だから、きっとぶっ飛べるほど楽しいショーを思い付いたんだよ。何せ仕事をした時が一度もないからな」 「俺も仕事をしないくらいに、ご先祖様が働いていればなあ。そしたら、俺も何か娯楽を思いついたりしていたんだが」 「まさか、お前なら単に踊ったり歌ったりくらいだろうよ」  大人たちの話にコルジンは僕にウインクしてみて、
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