3.腫瘍

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しかし、信也には不安もあった。 実里は自分のことが好きなのか。 もしかしたら自分が勝手に妄想しているだけなのでは。 そうであれば本当の気持ちを聞くのが怖い。 「……ッ!!?」 信也の腹にまた激痛が襲ってきた。 あまりの痛みに、信也はその場に膝をつく。 これだ。これがもう一つの不安だ。 恐怖だ。 自分の持病が実里に知れたら、彼女はきっと悲しむに違いない。 そして、自分から遠ざかっていくに違いないんだ。 そんなのって……嫌だ。 「……うあっ、い、いてえッ……!」 この痛みと付き合って1か月ぐらいになるが、日に日に症状は悪化しているようだった。 そして、いつものなら、この痛みはすぐ治まるのだが、この日はなかなか治まらなかった。 腹をナイフで刺されたような激痛が容赦なく信也を苦しめる。 「う”あ”ぁ”ぁ”ァ”ァ”ッ!!!!」 激痛のあまり信也はそのまま気を失った。
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