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「診察の結果、信也くんの胃腸のすぐ隣に腫瘍が見つかりました。
かなり大きいものです。
痛みはそれが原因でしょう」
「腫瘍!?」
「それで、信也は治るんでしょうか!?」
医師は少し言葉に詰まりながらも、
「手術で摘出しなければなりません。
場所が場所なだけに、少し難しい手術になりそうです」
「しゅ、手術!?」
手術と聞いて、信也の心に不安がよぎる。
「落ち着いて聴いてください」
と、医師がさらに続けてくる。
「信也くんの腫瘍はただの腫瘍ではないようなのです。
これを見てください」
レントゲンの写真が貼られる。
「この白い部分が腫瘍全体です。
その内部周りに微かな空洞があって、そのさらに中には白い物が入っています。
腫瘍の中に何か正体不明の物体が入っているのです」
「何ですか、それは」
「今日の検査では、私たちにはまだ分かりません。
おそらく、この正体不明の物体がこの腫瘍の原因です。
明日、再検査を受けてください」
医師にそう告げられ、信也はショックを受けるしかなかった。
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