4.命の選択

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言葉が出なかった。 とうとう明日、手術を受けることになった。 自分にはどうすることもできない。 この子を救うこともできない。 世界はこんな残酷なのか。 医師は人の命を救うためにいるんじゃないのか。 「……信也くん」 「……!?」 公園のベンチに座っていたら、実里が目の前に立っていた。 「実里さん、俺、最低だ……。  実は腫瘍が畸形嚢腫で、摘出するって。  この子だって生きてる。でも助けられない。  俺は何もできなかった。  ……医師になる資格なんて、ないッ」 目から涙が零れ落ちた。
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