1.出会い

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「なるほど。  じゃ、そんな信也くんに質問です」 「は、はい」 突然、実里が真剣な目をして口を開く。 「どこまでが人なんだと思う?  例えば、死体は人? 胎児は人?  一体どこまでが人で、どこからが人ではないのか?  その境界線がどこにあると思いますか?」 難しい質問だ。 答えなどあるのだろうか。 いや、これはあくまで信也自身の考え方を求められているだけだ。 考えを実里に伝えなければならない、そう思った。 「……生きている限り人だと思う、生まれてから死ぬまで。  たとえ昏睡状態、植物状態、どんな状態であろうとも。  生きている……人なんだと」 実里は信也の言葉を聞いて笑顔になった。 信也も実里の表情を見てほっと安心する。
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