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その後。
もう一人の赤子は、無事に見つかった。
彼女の自宅にいたのだが、タオルと一緒に洗濯機の中で無残な姿となって。
彼女は目が覚めても、正気を失っていた。
うわ言のように、子どもに対して懺悔を繰り返す。
彼女の生みの親は既にこの世にはなく、育ての親は彼女を都合のいいように扱っていたらしい。
彼女の姉も、同じような扱いを受け、命を落としていた。
それでも育ての親が罪に問われないのは、グレーだからだった。
彼女も、歪んだ愛情なのか欲望なのかは分からずに、受け入れるしかなく。
偽りの愛情だとしても、求めるしかなかった。
彼女も被害者だったのかもしれない。
かといって、罪が消えるわけでもない。
こうやって、彼女は一生、子どもに対して懺悔し続けるのかもしれない。
奇跡的に生き残った、コインランドリーベイビーはその後。
某施設にて育つこととなり、特殊な力を生かすのは言うまでもなく。
自分の生い立ちを知ったとしても、何らショックを受けることはなかった。
何故なら。
「だって、双子のお姉ちゃん。いつも、僕のそばにいるから」
END
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