第1章

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 スマートフォンを機種変更してsiriにした。siriは訊ねた事を何でも答えてくれるアンドロイド機種で、例えば…  「あなたに子供は出来ますか?」  と訊ねると。  「子供ヲ作レルノハ生命体ダケデス…今ノ所ハ」  またある時は。  「宇宙人はいますか?」  と訊くと。  「言ウマデモアリマセン」  こんな風に懇切丁寧に答えてくれるのだ。 私はsiriで密かな趣味としてsiriでsiriとりを始めたんだけども、膨大な知識量を持った人工知能には私の知識はなかなか追いつかず、どうしても勝つことが出来ない。  「鮭の蒸し焼き」  「僅差」  「鮭の塩焼き!」  「喫茶」  「鮭の煮浸し」  「審査」  こいつ。さ攻めで来る気か…それなら。  「サーモ…」  おっとここで「ン」と言い終えてしまうと私の負けだ。  「…ンピンク!」  私は一語付け足してピンチを切り抜けた。  「空港」  今度は「う」か……  「鵜!」  「宇宙」  「宇宙か…」やば「…んゴロ!」  「鑞」  「鵜飼」  「言う」  「うがい」  「居候」  「迂回ルート」  「問う」  「うが…」しまった。癖が出た「…い手洗い!」  「生きる」  何ですって?  ここに来てしりとりの勝ちパターンら行攻めと来たか。ると言えばあれしか思い付かない。  「ルパン…三世!」  「今いくよくるよ」  何とか「よ」に切り替わってくれた。私の反撃だ。  「代々木ゼミナール」
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