10人が本棚に入れています
本棚に追加
「それと、おじさん。占い師を手玉に取って遊ばない方が身の為だよ。そもそも、占いのようなオカルトに頼って幸せになろうとする方がナンセンスですしね」
少年占い師は淡々と喋り続ける。今まで俺の行動をずっと見ていたかのように核心をつきながら。
「……」
返す言葉が見つからない。あれこれと言い訳しても、嘘をついても、無駄だと言っているようなあの真っ直ぐなあの目は何だ?
「人間が最大に恐怖を感じる時ってなんだと思いますか?」
「……自分が思ってもいないことが起こること」
「やっと会話してくれましたね、ちなみに大正解です。まさに今のあなたみたいな状況のことを言います」
少年占い師と目と目が合うその先に見えるのは闇。
ここまでなら切り替えられるとか、ここまでの範囲なら論破できるとか、俺の言葉で奏でる復讐劇が綺麗に舞うことができないという想定を越えたことは今までなかった。数々の占い師は俺の言葉の刃で占い師という職を絶たれただろう。でも、これはあくまでも彼らの行いに対する制裁だと思っている。
最初のコメントを投稿しよう!