第二話 「復讐」

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 俺は四十一歳のごく普通のサラリーマンで、会社に勤めて十九年になる。根は真面目でどんな嫌な仕事も黙々とこなすことができ、会社からの信頼も厚い。でも、俺は誰にも言えない趣味がある。表むきは「サラリーマン」、仮面の裏に隠された素顔は「占い師狩り」ということを趣味にしている。  「占い師狩り」を簡単に説明すると、俺の人生を絶望の淵へと追いやった占い師たちを同じように絶望の淵へと追い込んでやるという復讐劇。もし、この趣味がバレたら本当に人生の終焉を意味するだろう。 「さぁ、始めるとするか」  今日はどんなやつをターゲットにしようかとタバコ片手に携帯で検索をかけた。会社の地下にある喫煙所は薄暗く、蛍光灯がチカチカしている。薄暗くて画面が見づらい。ふと、画面に顔を近づけた瞬間。突然、誰かにポンと肩を叩かれ、思わずビクッと反応する。
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