第二話 「復讐」

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 「あなたを必ず幸せに導きます」俺が最初に入った占い館だった。最初に来た時は、たまたまここにたどり着いただけで、占い館の道のりは覚えてなかった。十六年前以降、ここに来たことはない。高鳴る鼓動を感じながら前とは違う気持ちで入る。あくまでも俺の目的は「占い師狩り」。    前と同じように店内は薄暗く不気味な雰囲気が漂う。前に来たのは今から十六年前だから多少は変わっているかなと思ったが、何も変わっていなくて少し安心する。 「こんばんは、占いの館へようこそ。少し、そこの椅子にかけてお待ちください」  前と同じ女性が接客をしてくれたが、俺ことはどうやら覚えていなさそうだ。ふと、目に入る『占い師荒らし注意』と題した張り紙。内容は俺のやっていることと重なることから、これは俺に対しての注意書きだろう。まるで、指名手配犯になったような気分になる。 「お待たせしました、どうぞこちらです」  俺は十六年前の記憶と重なる。女性の案内人が同じ説明をしていること、前と同じ占い師のところへと向かっていること。 「こちらになります。こちら占い師のヤマトさんです」  十六年前と同じ場所だったが、あの時にいた老婆の占い師ではなかった。そりゃ当たり前なのかもしれない。俺は歳を取っているとは言ってもまだ四十代、おそらく十六年前のあの時点で老婆占い師は七十歳以上だと考えれば、自ずといないことに納得できる。違う人だと分かっていても脳裏に焼き付くあの風貌は忘れられない。 「ではごゆっくり」 女性の案内人は十六年前と何ら変わりのない接客だった。仕事の流れが身体に染み付いているのだろう。
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