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新たなる占い師と対面する。
「占い師やっていて楽しいですか?」
復讐劇の開幕の決め台詞。ずっと下を向いていた占い師が顔をあげる。
ニヤリと笑った不敵な笑みを浮かべる俺を見てビビると……。
「えっ!?」
俺は占い師の風貌があまりも幼いことに気づき驚く。見た目からするとまだ子供にしか見えない。あまりの驚きに思わず声が出ていた。
「あまり見た目にとらわれると本質を見失いますよ」
声変わりをしていない幼い声から発せられた言葉は刃を向け襲いかかってくる。コトンコトンと少年占い師は音を鳴らす。部屋は特別暑くはないのに額から汗が流れる。
「すみません、名乗る前に失礼なこと言ってしまい、どうもヤマトと申します。そういえば、先ほどの質問にまだ答えてませんね。僕はそもそも占い師などではありませんし、今やっていることを楽しいとか思ったことありません。他人の幸せなんて、あなただってどうでもいいでしょう?」
少年占い師は笑っている。何が面白いのかは分からないが、会話の主導権を握っているのは間違えなく少年占い師。いつも、話の主導権を握る俺からすると『占い師狩り』をやりづらい。
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