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「…なぁ、俺たちの関係って"ゲーム"のようなものだったのか?お前にとっては遊びだったんだ……そうだろ?『永遠に離れない』なんて甘い言葉で俺を縛り付けておいて…俺と不倫でもするつもりでいたのかよ」
純の言葉が私の心をキリキリと痛めつける。
私も健一も、そして会場の人たちも、ただ黙って純を見つめるばかりだった。
「このデジカメには俺とお前の思い出が詰まっているというのに。嘘だと思うならその目でよく確かめてみろよ」
ほ、本当、なの?
ガタガタと震える手を伸ばし、テーブルに放り出されたデジカメを掴み取る。
確かにデジカメには幸せそうに笑い合っている二人の写真がたくさん収められていた。
「どうだ?現実をよく見るんだな………………………お姉さん」
そう、彼は……私の弟。
デジカメには弟の純と、私の結婚相手である健一が寄り添っている姿が……。
「健一。俺は不倫でも構わないぜ。俺はお前と、永遠に離れないから」
終
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