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「外へ出たいよ」
うっとりと見惚れるほど美しい
ヴィーナスさながらの首筋に触れながら
「外へ出たい?」
「そう。あなたとさ」
僕はねだるように言った。
「僕は君といられるならここで十分だけど」
綺麗だ。
見れば見るほど。
「やっぱりあなた、自分の本当の価値に気付いてないんだ」
こんな山小屋で
林檎のウサギを齧らせておくなんてもったいない。
「つまり……どうしたいの?」
「だから……つまり……」
言われて
ようやく気づく。
「あなたが僕の物だと世間に知らしめたいんだよ」
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