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自己顕示欲の塊みたいな僕は
薬が抜けて楽になってきた今。
「僕に尽くしてくれると言ったでしょう?」
「言ったよ」
「人前がいい」
こんな山奥に
大人しく引き籠っていることなんて
我慢できなくなってきていた。
「人前で可愛がられたいんだ」
「和樹――」
意味深な言葉で
誘惑する。
「だけど外出なんて……」
あの人が許さないだろう。
律儀な彼のことだ。
「征司お兄様に義理立てするの?」
考えてること
言わなくても分かる。
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