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セロリの話をした
2時間後――。
僕が温め直したスープを飲んでいると。
「だからハイヤーはまだかい?違うっ……そこを右に曲がるんだ!」
珍しくおかんむりのご様子で。
「そう、そう。いいから急いでくれ!――ったく」
冷蔵庫に残っていたセロリを
みんなゴミ袋に詰めながら
「遅くとも夕方には着くだろうってさ」
九条さんが荒々しく電話を切った。
「随分かかるね」
さすがに
少しぐらいルールを破ったところで
「我慢できないならハイヤーの中で可愛がってあげるけど?」
「九条さん……」
「ん?どうする?」
楽しいだけってことに
気づいたみたいだ。
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