episode189 Take Me Higher ①

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黒光りしたハイヤーが 山小屋の前にやって来たのは 予定より1時間も後だった。 「仕方ないさ。地図にない場所だ」 自分に言い聞かせるように 九条さんはぼやきながら。 「さあ、行こう。シンデレラ」 上着を手に 寝間着みたいな格好の僕を促した。 夕暮れ時の終わり。 「どこへ?」 肩から上着をかけてもらっても 少し肌寒い。 「もちろん、お城の舞踏会だよ」 ハイヤーの後部座席に乗り込むと 九条さんは平然と言った。
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