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「――こういうことか」
「悪くないだろ?」
九条さんが行きつけのブティックで一揃え。
仕入れてきたのはブランドのスーツじゃない。
「へえ、これがあなたの趣味なんだ」
20年代風のビジューのブラックワンピ。
ボブヘアーのウィッグにパールの髪飾り。
そして優雅なチンチラのファーコート。
限りなくシックで
それでいてロマンティック。
「君に似合うものをチョイスしたつもりだけど」
僕が天宮の子息でなかったら。
はたまた男の子でさえなかったら。
「確かにこれなら人前でも普通にデートできるね」
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