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シャクシャクと白い八重歯が
ウサギを噛み砕く音がする。
「痛いよ」
僕がウサギの声音を真似て震えると
「満足?」
吹き出しかけた口元を抑え
九条さんがウサギの欠片を飲み下す。
「もうひとつシャツのボタンを外して」
「何のために?」
次の生贄を差し出しながら
「あなたの素敵な喉仏がもっとよく見えるようにだよ」
僕は訝しむ彼に言った。
「普通じゃない」
言いながらも
サービス精神旺盛な恋人は
「わお」
一つと言わず胸元が露わになる手前まで
シャツのボタンを開いて見せた。
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