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もうひとつ。
小さな林檎のウサギを噛み砕く。
口端を伝うジュースを拭う親指。
ゆっくりと上下するミルク色の喉元。
朝陽に照らされた天使の髪の束。
緊張と恥ずかしさからか
ほんの少し高潮する。
シャープな頬から
どこか切なげな目元まで。
完璧だ――。
「たまらない。みんなあなたに抱かれたいと思って見てるはずさ」
「みんなって?」
王子様
鏡を見たことないのかい――。
「あなたが食事してるとこを見たことある人みんなだよ」
納得いかない顔で問い返す
絵に描いたような美男子に僕は教えてやる。
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