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「そんな世界――僕は知らないな」
「知らないだって?」
だからこの人は
驚くほど欲がないんだ。
「あなた、まわりを見ていないから」
本当は四方八方
引く手あまたなのに。
「認めるよ。僕が見てるのは君だけ」
そう。
なのに
彼は僕のことばかり――。
「ねえ、本当のあなたを教えてあげようか?」
思いつきと言えば
いつだってそうだ。
「君が――僕に何を教えてくれるって?」
子ども扱いしながらも
興味をそそられた目をして。
「ん?何を教えてくれる?」
九条敬は襟元の肌蹴た
セクシーな上半身を傾けた。
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