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しかし、それも、社員が千人を超える規模になると、当時の社員の大半はすで
に退職していた。
知ってるのは、たぶん数名、片手の指の数でしかない。
無名のベンチャー企業の社員は入れ替わりが激しい。
私とナオキの関係を知ってる社員も我が身可愛さに、かつての関係を社内で、
噂することすらない。
なぜって、そんなことをすれば、創業時の古参社員としての優遇された現在の
ポジションが揺らぐ。
具体的には、解雇されかねない。
本来、気弱なナオキは己の弱みを人に見せることを嫌う。
弱みを握った男は冷酷無比に追い込んで退職させる。
経営者としての藤原ナオキの冷酷な一面だ。
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