347人が本棚に入れています
本棚に追加
修斗に甘えて生きてきた私は相手を陸に置き換えただけで、責任を持って自分で判断することを避けてきた。
望まぬ人生の荒波に揉まれ、そんな自分に疑問を持った。陸にも指摘された。
私も変わらなくてはならない。変わりたい。
陸に愛されるだけでなく、彼が安心できる場所として戻って来れるような女になりたいと思うようになったのだ。
どうすれば変われるのか良く分からない。
一日で変われる自信も無い。
けれど私は私として自分の意見を持ち、勇気を持って進んでいくことがいつかそこに繋がるのではないかと思う。
そうやって一歩ずつ、陸と歩んで行けるようにと願った。
ある晩、いつものように帰宅した陸を迎えてつまみを出し、二人で会話をしながら笑っている時だった。
私の携帯が鳴った。
非通知着信━━━
普段なら無視をするのに、その時は何かの予感が働いた。
「……はい。」
『……………』
「……もしもし?」
最初のコメントを投稿しよう!